ポエムフラワー(2)
水の音
おとがする ポタンポタン しろい はるのおと 蛇口からは 春には 花を包んで 夏には 太陽を含んで 秋には 枯れ葉が絡まって 冬には 雪が溶けて 時を超えて 私は季節を散歩する 花を超え 太陽を超え 枯れ葉を超え 雪を超えて 私は誰かと語り合う
北風
おまえが 凍えさせた心が 花に負けたよ 衰えていく おまえに 蕾みがさよならを言っているよ 良き人は恋を思い 鳥は歌い 夜は星が泳ぐ 春が新しい足取りでやってきた 閉ざされたまぶたが上がる 孤独の庭にも いつか 緑が芽吹き ほころび 薔薇が咲き 薔薇に染まるでしょう
雪 ぼたん雪の目覚まし時計が鳴る 大地は春を起こした 沢山の重みと 長い苦しみに 耐えたお陰で新木になれた 木はきびしい冬を超えたから 今 ごほうびをもらえた 今度は木が言うだろう 大地よ 豊かなれと 僕は君を食べて大きくなった 君はやせて 僕はふとった これで君はしばらく休める しかし 君が一番楽しそうなのは なぜ 変らないものが一杯 教えられることが一杯 時間の壁に印刷されていく みんなみんな春が来た
雪
ぼたん雪の目覚まし時計が鳴る 大地は春を起こした 沢山の重みと 長い苦しみに 耐えたお陰で新木になれた 木はきびしい冬を超えたから 今 ごほうびをもらえた 今度は木が言うだろう 大地よ 豊かなれと 僕は君を食べて大きくなった 君はやせて 僕はふとった これで君はしばらく休める しかし 君が一番楽しそうなのは なぜ 変らないものが一杯 教えられることが一杯 時間の壁に印刷されていく みんなみんな春が来た
菜の花
愛の花が咲きました 黄色い風が吹いています 愛は大地の決意であり 確認であり 約束であるのです さらさらさらと花は花で変らない 哀れな心よ 思い煩うな 美しく目覚めた新たな調べに 花は貴方のすべてを集めて 夢を織り 愛を咲かせているのです どんなところでも さわやかな香りは わき かおりたっているのです 心よ 苦しみなど忘れなさい 今が咲く時です 匂っています
しわ
線がある 点がある いつしれず 顔に住み 心 悩まし乱す 悠々と人生に網を張る
by 妹尾一子 第十詩集 「夜汽車」
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